【予想】第87回アカデミー賞予想【監督賞1】

【監督賞】
<Lock>
ベネット・ミラー『Foxcatcher』
リチャード・リンクレイター『6才のボクが、大人になるまで』

<Likely>
ウェス・アンダーソン『グランド・ブダペスト・ホテル』

<Shaky> 
スティーブン・ダルドリー『Trash』
ジャン=マルク・ヴァレ『Wild』

-------------------------------<Nomination Line>----------------------------------
<Possible>
デヴィッド・フィンチャー『ゴーン・ガール』
ティム・バートン『Big Eyes』




<見解>

カンヌ国際映画祭監督賞受賞者で、アカデミー賞監督賞に候補に挙がったのは、以下の5人。
2007年 ジュリアン・シュナーベル『潜水服は蝶の夢を見る』
2006年 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ『バベル』
2001年 デヴィッド・リンチ『マルホランド・ドライブ』
1996年 ジョエル・コーエン『ファーゴ』
1991年 ロバート・アルトマン『ザ・プレイヤー』

基本的にヨーロッパ系の監督に偏りがちなだけに、アメリカ系監督がカンヌ監督賞を獲ると、アカデミー賞でも候補に上がる確率は高い。
無視されているところではニコラス・ウィンディング・レフン『ドライヴ』や、ポール・トーマス・アンダーソン『パンチ・ドランク・ラブ』など、作品評価が曖昧な作品なだけに、作品の評価も絶大なミラーはノミネート安泰ではあるだろう。
ひとつだけ気になるのは、この5人、ひとりも受賞していないということだ。


対して、ベルリン国際映画祭監督賞受賞者は、
1991年 ジョナサン・デミ『羊たちの沈黙』

2008年 ポール・トーマス・アンダーソン『ゼア・ウィル・ビー・ザ・ブラッド』
1988年 ノーマン・ジュイソン『月の輝く夜に』
1987年 オリヴァー・ストーン『プラトーン』
1985年 ロバート・ベントン『プレイス・イン・ザ・ハート』

と、受賞者もいるのだが、ベルリン国際映画祭の開会時期がアカデミー賞直前ということもあり、デミ以外の4人はベルリン受賞の直後に発表されるオスカーで候補になっているのである。
なので、今回のリンクレイターのようなケースは、デミひとりのみ。
(※1994年クシシュトフ・キシュロフスキは『白の愛』でベルリン受賞、『赤の愛』でオスカー候補に)



ところで、気になるのは昨年の予想コラムでも伝えた通り、外国人監督の活躍が目立つと言うこと。細かいことは昨年のを参照するとして、今年は違うアプローチで考えてみたい。
昨年は作品賞『それでも夜は明ける』、監督賞『ゼロ・グラビティ』で、ふたつが異なっていた年である。過去50年間でそういう年は8回。それぞれの、次の年の監督賞候補者の国籍を見てみると、以下の通り。

2013→米3、墨1、英1
2006→米2、墨1、英2
2003→米2、豪1、乳1、伯1
2001→米3、乳1、英1
1990→米3、仏1、英1
1982→米3、英1、独1
1973→米3、伊1、典1
1968→米1、伊2、英2

2009年から2011年の3年間、候補者のうち1人づつを除いて全員がアメリカ人だっただけに、外国勢の健闘が特に目立つケースに陥りやすい。
となると、今年の有力どころで非米国人監督は、

ジャン=マルク・ヴァレ『Wild』(カナダ)
スティーブン・ダルドリー『Trash』(イギリス)
クリストファー・ノーラン『インターステラー』(イギリス)
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ『Birdman』(メキシコ)

あたりか。


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