【予想】第87回アカデミー賞受賞予想:第4回・視覚効果賞&音響効果賞&録音賞

さて、今回は技術系の3部門を考察します。
ブロックバスター系作品が並ぶので、他の部門との兼ね合いが少ないこれらの部門。
ゆえに、単純な作品評価だけでは分析しがたいものがあります。



・視覚効果賞
『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』
◎『猿の惑星 新世紀』
★『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
『インターステラー』
『X-MEN フューチャー&パスト』


例によってブロックバスターばかり。マーベル映画が3本という、非常に偏った感じがします。最終選考まで残った作品としては、『GODZILLAゴジラ』『ナイト・ミュージアム3』『マレフィセント』『ホビット』『トランスフォーマー』と、幅広くブロックバスター映画を網羅していましたが、いざノミネートされた作品を並べてみるとこんな感じ。

2010年からノミネート枠が5つに増え、それでもアメコミ作品は基本的に年1本だっただけに(2008年はDCとマーベルが3枠の中に各1本入りましたが)、映画界への貢献度が認められてきている模様。
しかし、アカデミー賞とアメコミというのはやはり対極にある感は否めないところ。

とりあえず、前哨戦である視覚効果監督組合賞の視覚効果賞に候補入りできなかった『キャプテン・アメリカ』をまず外すとしても、どの作品が獲ってもおかしくない現状。
その視覚効果賞に輝いたのは『猿の惑星新世紀』。
過去10年で、この組合賞との直結数は7回。異なる3回は

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』→『スパイダーマン2』
『トランスフォーマー』→『ライラの冒険』
『猿の惑星 創世記』→『ヒューゴの不思議な発明』

という。『猿の惑星』リブートシリーズは一度このチャンスを逃しているわけですね。

配給会社での受賞歴を見てみると、2000年代初頭のLOTR3部作連続受賞後は、
SPE→Uni→ディズニー→NLC→PM→FOX→WB→PM→FOX→WB
と、なぜかここ6年は3つの会社が交互に来ております。
今年の候補作品は、ディズニー2本とFOX2本、PMが1本。この法則では『インターステラー』が受賞する目が有力か。

候補者の中でオスカー経験者は、『インセプション』で受賞済みの二人がいる『インターステラー』と、すでに4度受賞している『猿の惑星新世紀』のジョー・レッテリぐらいか。

受賞者がいない×大ヒットを記録した点で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が獲るか、功労を讃えジョー・レッテリに5度目のオスカーを与えるかの二択だろう。



・音響効果賞
◎★『アメリカン・スナイパー』
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
『ホビット 決戦のゆくえ』
『インターステラー』
『Unbroken』

こちらの部門は対照的に、作品賞絡みの作品も混ざってきております。
作品賞候補枠が増えてから5年で、毎年作品賞候補作が受賞しているわけです。(一昨年は『ゼロ・ダーク・サーティ』と『007スカイフォール』のタイ受賞でしたが)

それ以外の年でも、基本的にアクション映画や戦争映画が強いこともあり、作品賞にあがっていない『Unbroken』の目も消えてはいませんが、『アメリカン・スナイパー』のほうが有力とみて問題ないでしょう。
この記事があがる翌日に、前哨戦の組合賞が発表になります。そこで『アメリカン・スナイパー』が勝てば、問題なく受賞一直線でしょう。



・録音賞
★『アメリカン・スナイパー』
◎『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
『インターステラー』
『Unbroken』
『セッション』

音響編集賞がサウンドエディットの賞で、こちらはミキシングの賞です。結構違いが分かりづらいのですが、わかりやすく言うと、ミュージカルが獲れるのはこっちの賞です。というぐらい。

なので、音響効果賞のノミネートから『ホビット』に代わり『セッション』が入ってきましたね。楽器映画です。
音響効果賞と録音賞の合致は2000年以降で7回なので、ほぼ半々の形。
ともなれば、『セッション』がここで獲るのも面白いところですが、『アメリカン・スナイパー』で予想しておくのが無難でしょう。

こちらもまた、明日に組合賞が発表となります。そちらには『セッション』が候補入りしていないのを考えると、逆転受賞の可能性も薄いと思われます。

追記:録音監督組合賞を『バードマン』が制しました。
本命は『バードマン』でしょうが、個人的見解では『アメリカン・スナイパー』のほうに。



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