忘れていたわけではありません←
ノミネート予想の中心である、作品賞の予想をしようと思います。
これまでも、前回のアカデミー賞後から注目作品をいくつか並べてきましたが、今回は前哨戦の動向と、過去のデータを用いて考えてみようと思います。
まず作品賞の基本的な様相として、昨年の記事でも書いた通り、
・監督賞
・演技賞(主演助演男女優賞)
・脚本賞
・脚色賞
のいずれかに候補に上がる作品が前提となり、(『戦火の馬』だけが近年では違ったけれど)
とくに、監督賞候補にあがった作品は、作品賞枠が5枠以上になってから一度も作品賞候補から漏れていないという現状です。
今年監督賞候補が有力な作品は、
『6才のボクが、大人になるまで』
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
この二本は問題ないだろう。
『イミテーション・ゲーム』は前哨戦であまり弾けていない印象が強く(前哨戦がほとんどリンクレイターの独壇場だから)、逆に『Selma』のエヴァ・デュヴァルネの健闘が目立つ。
デュヴァルネもノミネートされた、ゴールデングローブ賞の監督賞は、アカデミー賞の監督賞とあまり直結はしないにしても、ここ4年間はGG監督賞候補作はもれなくオスカーの作品賞にノミネートされているのである。今年もこの流れが継続されるのであれば、
『グランド・ブダペスト・ホテル』
『ゴーン・ガール』
『Selma』
の3作も安泰だろうか。
他の部門で健闘が予想される作品は、多数あるが、今年も配給会社ごとに考えてみよう。
まず毎年のように入ってくる会社を考えると、
フォックス(サーチライト含む)は、『バードマン』『グランド・ブダペスト・ホテル』『ゴーン・ガール』の有力3作がある。さすがに10枠中で4枠を埋めることは考えづらく、2年前のようにフォックスとサーチライト合わせて3本がいいところであろう。逆に、他の作品は入りづらいと考えると、主演女優賞候補に上がる可能性の高い『Wild』には分が悪いだろう。
パラマウントは『インターステラー』と『Selma』の2本出し。
昨年もパラマウント作品が2本入るかを問題にしたが、2年連続の2作入りはどうか。実質、昨年は『ネブラスカ』がパラマウントヴァンテージの配給だったことを考えると、層の厚い今年はどちらか一本になるだろう。そうなると、『インターステラー』が落ちる結果にも成り得る。
コロンビアは昨年は2本入ったが、それ以前は年1本か0本。入るような作品があれば間違いなく入るが、そうでないときはとにかく来ない印象。
今年は『フューリー』と『ANNIEアニー』が中心の賞レースなので、今年のコロンビアはないと考えて良さそうだ。
さて重要な鍵を握るワインスタインカンパニー。
ミラマックス時代から、毎年1本は確実に滑り込ませてくるハーヴェイ・ワインスタイン。複数本滑り込ませる可能性もあるが、果たして今年はどうか。
『イミテーションゲーム』を筆頭に、『ビッグ・アイズ」『ラブストーリーズ』『スノーピアサー』など有望作も多々あるが、ポテンシャルが高いのは『イミテーション・ゲーム』だけかと。
問題となるのは、ワーナーである。
11年連続で作品賞候補を送り出し、4度作品賞に輝いている大御所ワーナーであるが、今年押してくる作品が微妙なところ。
『アメリカン・スナイパー』か『Inherent Vice』の二本は可能性ゼロではないが、近年有力視されながら度々候補を逃すイーストウッドとPTAの作品。今年はワーナーが入らない作品賞リストになるのだろうか。
他には近年常連となりつつあるフォーカスフィーチャーズから『博士と彼女のセオリー』が有力視されているのと、同じくソニーピクチャーズクラシックから『フォックスキャッチャー』と『Whiplash』が作品賞に滑り込めるポテンシャルがあるが、近年に2本以上作品賞に送り込んだ配給会社は上の5社とタッチストーンぐらいなのでどうだろうか。
しかしながら作品賞最有力候補の『6才のボクが、大人になるまで』の筆頭は揺るがない。配給がIFCフィルムズであり、今回ノミネートされれば初の候補入りだ。
例年大手以外のインディペンデント会社の作品が候補に上がることは多々あれど、2009年のように3作(サミット、トライスター、ライオンズゲート)入ることは極めて稀であると考えられる。
今年他に滑り込みが予想されるインディーズ系映画はA24配給の『A Most Violent Year』とオープンロードフィルムの『Nightcrawler』ぐらいであろうか。前者はジェシカ・チャスティンの助演女優賞、後者はジェイク・ギレンホールの主演男優賞レースが中心となるのだろう。
大手ユニバーサルが擁する『Unbroken』は注目をしているが、あまりにも前哨戦の勢いがなさすぎるのがどう出るか。前哨戦で相手にされないとなると、製作者組合賞に候補入りしないと厳しいだろう。
<LOCK>
『6才のボクが、大人になるまで』
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
『ゴーン・ガール』
『Selma』
『博士と彼女のセオリー』
『イミテーション・ゲーム』
『フォックスキャッチャー』
『グランド・ブダペスト・ホテル』
『Whiplash』
---------------------(Nomination Line)-------------------
『インターステラー』
『A Most Violent Year』
『Unbroken』
『Nightcrawler』
『Wild』
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