昨年の監督賞予想でも言ったが、
・近年しばらくアメリカ人の受賞が遠ざかっている
2010年以降、トム・フーパー(イギリス)→ミシェル・アザナヴィシウス(フランス)→アン・リー(台湾)→アルフォンソ・キュアロン(メキシコ)と、4年連続して非北米人が受賞している。
ましてや、もっともこの部門でもっともノミネートされている歴史のある、アメリカ人男性監督の受賞は、なんと21世紀に入ってからはロン・ハワード、イーストウッド、スコセッシ、コーエン兄弟のみ。
今年こそ巻き返しを狙いたいところだろうか。
とはいえ、今年も有力どころには非アメリカンが並んでいる。
まずはメキシコ出身のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。
『バベル』でこの部門にノミネートされたあとも、『BIUTIFUL』で外国語映画賞候補に挙がるなど、オスカーからは好かれているイニャリトゥ。さすがに2年連続メキシコ人監督の受賞は考えづらい気もするけれど……。
そしてもう一人はノルウェー出身のモルティン・ティルドゥム『The Imitaiton Game』。
……誰ですかね。と、よく考えたら『ヘッドハンター』を撮った方。アメリカでの知名度がそれほど高くないのが心配要素ではあるが、近年でいうアザナヴィシウスやトム・フーパーと同じく、ヨーロッパでその実力を評価されている人。もしかしたら受賞も有り得る……。
そんな中、今年注目が集まるのは、女性監督枠の存在である。
『Unbroken』のアンジェリーナ・ジョリーと、
『Selma』のエヴァ・デュヴァルネ。
過去にオスカー候補に挙がった女性監督はリナ・ウェルトミューラー、ジェーン・カンピオン、ソフィア・コッポラ、そして受賞した唯一の女性監督キャスリン・ビグロー。いくら男性社会といえども、第1回からあるこの部門、これまで423枠あったうち、4人しかいないというのはどうか。
入るとすれば、どちらか一人になるとは思うが如何に。
しかし今年はアメリカの白人監督が強力。
まずは何と言ってもリチャード・リンクレイター『6歳のボクが、大人になるまで』。
例を見ない撮影方法で、新しいタイプのインディペンデント映画を次々と生み出してきたリンクレイター。20年以上に渡る、彼のキャリアの中でも、ここは最大の受賞チャンスだろう。
そしてオスカーでおなじみのクリント・イーストウッド『アメリカン・スナイパー』
今年は『ジャージー・ボーイズ』の評価が不発に終わるも、もう一本出されたらさすがに会員も黙っていられない。でも『グラントリノ』と『チェンジリング』の年も微妙な評価に留まっているけれど。。。
さらに熱狂的なファンが多い、デヴィッド・フィンチャー『ゴーン・ガール』もノミネート圏内。
いつからこんなにオスカー常連になったんでしょうか……。
まあいいや。
あとは
『フォックスキャッチャー』ベネット・ミラー
『インターステラー』クリストファー・ノーラン
『グランド・ブダペスト・ホテル』ウェス・アンダーソン
そして『The Theory of Everything』ジェームズ・マーシュがギリギリ狙えそうな圏内ではあるが……。
<LOCK>
リチャード・リンクレイター『6歳のボクが、大人になるまで』
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
モルティン・ティルドゥム『The Imitation Game』
<Likely>
デヴィッド・フィンチャー『ゴーン・ガール』
エヴァ・デュヴァルネ『Selma』
----------------------(Nomination Line)-------------------------
ベネット・ミラー『フォックスキャッチャー』
アンジェリーナ・ジョリー『Unbroken』
クリント・イーストウッド『アメリカン・スナイパー』
ジェームズ・マーシュ『The Theory of Everything』
クリストファー・ノーラン『インターステラー』
ウェス・アンダーソン『グランド・ブダペスト・ホテル』
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