【余談】『ミュータント・タートルズ』公開延期で今年のお正月映画をちょっと考えてみた。

今年のお正月映画にちょっと考えを巡らせてみましょう。
来年の話をすると鬼が笑うらしいので、今年の話だけなんですけど。


11月21日に公開予定だったデヴィッド・フィンチャー『ゴーン・ガール』が、
12月に公開延期となり、クリストファー・ノーラン『インターステラー』との一騎打ちは
免れた一方で、今度は『ホビット』などと直接対決となるわけですから、
もしかすると『ゴーン・ガール』は11月公開よりも低い興行成績になるかもしれません。

ところが、そんな12月に公開予定だった『ミュータント・タートルズ』が公開延期を発表

いや、まあそうなるでしょう。
例えば、9スクリーンあるシネコンがあったとしまして、
(1〜6が150席、7が250席、8が300席、9が450席)

仮に12月後半の週のスクリーン配置を想像すると、
9→妖怪ウォッチ
8→ベイマックス(吹替/3D・2D)
7→寄生獣
1〜6 神様の言うとおり、インターステラー、ゴーン・ガール、ホビット、アオハライド、ベイマックス(字幕/3D・2D)

たとえ10スクリーンあったとしても、ロングランの作品を朝一で残していたとしたら、これは大きく上映できる見込みがない、ということですね。都心部(『妖怪ウォッチ』どの規模でかけるのか知らないけど)はともかく、地方部は痛いですね。

ふと思い出すのが、11年前の2003年末のお正月映画戦線。
当時はシネコンの小屋数で考えるより、各系列でラインナップが考えられていた時代ですから、ヘッド館である有楽町界隈の劇場主軸で考えると、こんな感じでした。

日本劇場→『バッド・ボーイズ2』(11/29公開)
日劇プラザ→『シンドバッド』(12/20公開)
スカラ座→『すべては愛のために』(12/20公開)
日比谷映画→『ミシェル・ヴァイヨン』(12/20公開)
みゆき座→『踊る大捜査線2<海外戦略版>』(12/20公開)
ピカデリー1→『ラスト・サムライ』(12/6公開)
ピカデリー2→『ファインディング・ニモ』(12/6公開)


ところが、夏に全米公開した『マトリックス・リローデッド』を一週で打ち負かして、大ヒットを記録した『ブルース・オールマイティ』を急遽公開させることが決まって、秋頃に『シンドバッド』→『ブルース・オールマイティ』に差し代わることが決まったのです。結果、『シンドバッド』は未公開DVDスルーとなりました。
これが可能だったのは、配給会社が同じUIPだったから、年末に同社が取っていた大きめの小屋がそこしかなかった、ということですから、大きくほかの作品に影響するレベルの話ではなかったわけです。

ところが今はシネコン全盛時代。小屋の大きさ各劇場が判断するわけですから、周りに大きくて集客が見込める映画がゴロゴロしていたら、一気に回数も減るし小屋も小さくなるわけです。
3D版や吹替版の上映を考えると、最低でも初週2スクリーンは開けてもらいたいパラマウント側としては、この大作ひしめき合うお正月興行を避けることは賢明な判断と言えるでしょう。
とくに今年は大ブロックバスターの『妖怪ウォッチ』が公開される年です。初の劇場版ですから、どの程度入るのかが推測しづらいことこの上ないですが、大ヒットすることは間違いないでしょう。


というかそもそも考えられることは以下の2点。
・なぜ『ゴーン・ガール』は公開を延ばしたのか
・『ゴーン・ガール』が延期されなかったら『ミュータント・タートルズ』も延期にならなかったのか

『ゴーン・ガール』は145分の大作ですから、基本的に3〜4回回しだと考えて、一日フルでスクリーンが埋まるわけです。
デヴィッド・フィンチャーの新作、『アルゴ』のベン・アフレック主演という話題性を考えても、ある程度は埋まるだろうと見込まれているはずです。ましてや、日本人が好きな「ミステリー」というジャンルですから。

故に、
・『インターステラー』と直接対決でも問題ない
・『寄生獣』避けなら公開前の一週で勝負かけてもいいんじゃないか
・じつは『神様の言うとおり』のほうがダークホース?

などと憶測が飛びますが、そういえば配給はFOXさん。
・『ミケランジェロ・プロジェクト』の公開中止
・『やさしい本泥棒』の上映情報が決まらない
(当初6月公開でホームページ作るも、一切コンテンツが増えないまま閉鎖)
とまあ、今年ご乱心ですから、何故動かしたのか不明確。

仮に延期させなかったとしても、『妖怪ウォッチ』とディズニーの新作がいる前日に公開するのはスクリーンの都合も悪い。
さらに、パラマウントの夏の大作『トランス・フォーマー/ロスト・エイジ』が、『STAND BY MEドラえもん』とぶつかったことで、興収が現在25億程度。
一週前には『るろうに剣心京都大火篇』があり、翌週には『ホットロード』が公開し、どちらも大ヒットを記録。
当のトランスフォーマーはシリーズ2作目は超えたものの、54億稼いだ前作から大幅にロスしているのです。


ということは、『ゴーン・ガール』が11月公開でも『ミュータント・タートルズ』は延期されていたのではないかという結論に達するわけです。最近邦画のほうが圧倒的に好調でもありますし、今年は相手が悪い。というわけです。


以下のリストの作品は、10億超えてくる興行をするのではないでしょうかね。あ、『エクスペンダブルズ3』は違いますねw


<11月>
1日 『エクスペンダブルズ3』(松竹)
    『クローバー』(東宝)
    『美女と野獣』(ギャガ)
15日 『神様の言うとおり』(東宝)
22日 『インターステラー』(ワーナー)
29日 『寄生獣』(東宝)
<12月>
12日 『ゴーン・ガール』(FOX)←11月21日から移動
13日 『ホビット/決戦のゆくえ』(ワーナー)
   『アオハライド』(東宝)
19日 『ミュータント・タートルズ』(パラマウント)←正月第二弾に延期
20日 『映画 妖怪ウォッチ』(東宝)
   『ベイマックス』(ディズニー)
27日 『海月姫』(アスミック)

……あれ、今年は『ハンガーゲーム』の名前がないぞ。昨年同様全米は11月公開なのに、今年は年明け公開でしょうか。まだ角川映画のホームページにも載っていない状態です。。。こ

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