第27回東京国際映画祭(TIFF)コンペティション部門ラインナップ発表!

10/23から開催される、東京国際映画祭のラインナップが発表されました。
まずは、コンペティション部門の15本から紹介致します。

タイトル部分をクリックすると、東京国際映画祭の公式ホームページにジャンプします。
スケジュールはそちらで確認してください。

それぞれ作品解説の最後に「日本公開予想」と「必見度」(この映画祭で観るべきか否か)を私見で書いておりますので、参考までにどうぞ。





『1001グラム』“1001 grams”
(2014年/ノルウェー・ドイツ・フランス/93分)



監督:ベント・ハーメル
出演:マグネ=ホーヴァルト・ブレッケ、ペール・クリスティアン・エルフセン

<解説>
日本でもお馴染みのベント・ハーメル監督の最新作です。
長編監督第7作目である本作。今のところ『卵の番人』『キッチン・ストーリー』『ホルテンさんはじめての冒険』『クリスマスのその夜に』の4本が日本で公開されているので、おそらくこの作品も日本公開はすると思われます。
今年のアカデミー賞外国語映画賞のノルウェー代表に選ばれている作品で、有力候補のひとつですから、早めに押さえておきたい人は必見でしょう。
現地ノルウェーで9月23日に公開されたばかり。
主演はミア・ハンセン=ラヴの『グッバイ・ファーストラブ』のロレンツ役が記憶に新しい、マグネ=ホーヴァルト・ブレッケです。

日本公開予想……★★★★★
必見度……★★★★



『マルセイユ・コネクション』“The Connection”
(2014年/フランス・ベルギー/135分)


監督: セドリック・ジメネス
出演:ジャン・デュジャルダン、ブノワ・マジメル、ジル・ルルーシュ

『アーティスト』でアカデミー賞に輝いたジャン・デュジャルダン。彼もこんな真面目な役ができるみたいです(笑)
先日のトロント国際映画祭でお披露目された本作は、今をときめくフランスの個性派俳優三人の共演で話題に。フランスもベルギーも公開は12月ですので、ここで観ると得した気分になれるかも。
監督がさほど有名な人ではないですが、プロデューサーもこなすマルチプレイヤー。この三人の共演ですから、劇場公開もしくは最悪でもDVDスルーで日本に来る可能性は非常に高いと思われます。

日本公開予想……★★★★
必見度……★★★★



『来るべき日々』“The Days Come”
(2014年/フランス/85分)


監督:ロマン・グーピル
出演:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ジャッキー・ベロワイエ、ロマン・グーピル

2010年の東京国際映画祭WORLD CINEMA部門で上映された『ハンズ・アップ!』のロマン・グーピル監督×ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ主演のコンビが4年振りに東京国際映画祭に帰ってきました。
監督のロマン・グーピルは、役者業もこなしていて、本作でもメインロールで出演。そういえば、彼の監督作品はまだ日本では公開されていないけれど、彼の出演する作品はちらほらロードショー公開されていましたね。(カトリーヌ・ブレイヤの『処女』とか。かなり前だけど)

日本公開予想……★★
必見度……★★★★



『神様なんかくそくらえ』“Heaven Knows What”
(2014年/アメリカ・フランス/93分)


監督:ジョシュア・サフディ&ベニー・サフディ
出演:エレノア・ヘンドリクス、アリエル・ホームズ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ

ヴェネツィア、トロント、リオ、ニューヨークと世界中の映画祭を回って満を持して東京に上陸するサフディ兄弟の新作。これまで短編やドキュメンタリーなどでキャリアを積んできた彼らは、代表作である『Go Get Some Rosemary』でインディペンデントスピリッツアワードのジョン・カサヴェテス賞に輝いた実績を持つニューヨークインディの新鋭。
出演にはインディー系役者が顔を並べるが、先日日本でも公開された『アンチヴァイラル』の特徴的な顔が印象に残る、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが出演しているようだ。

日本公開予想……★★
必見度……★★★



『アイス・フォレスト』“Ice Forest”
(2014年/イタリア/107分)


監督:クラウディオ・ノーチェ
出演:エミール・クストリッツァ、アドリアーノ・ジャンニーニ

最近もっぱら俳優業に精を出している名監督クストリッツァ。そんな名監督を使うのが39歳のイケメン監督クラウディオ・ノーチェ。短編を中心に活動を続けてきた彼の、長編二作目が本作。
共演にはジャンカルロ・ジャンニーニの息子であるアドリアーノ・ジャンニーニ。
なかなか興味深いキャスティングで、イタリア国外での上映は今回が初めて。

日本公開予想……★★
必見度……★★★★★



『ザ・レッスン/授業の代償』“The Lesson”
(2014年/ブルガリア・ギリシャ/105分)


監督:クリスティナ・グロゼヴァ、ベタル・ヴァルチャノフ
出演:イヴァン・バルネフ、イヴァンカ・ブラトエヴァ

昨年のベルリン国際映画祭で、優秀な企画に援助を行うというARTEinternational prizeに選ばれて 制作された本作。
すでにトロントをはじめサン・セバスチャンなどの映画祭で上映されております。
東京の少し前には、ワルシャワ国際映画祭での上映が決まっておりまして、注目度は非常に高い一本でしょう。
なんかTIFFって女教師ものの映画しょっちゅうやっているような気が……(『イエロー』とか『隠れた瞳』とかさ……)

日本公開予想……★
必見度……★★★★



『ロス・ホンゴス』“Los Hongos”
(2014年/コロンビア・フランス・ドイツ・アルゼンチン/103分)


監督:オスカル・ルイス・ナビア
出演:ヨバン・アレキシス・マルキネス、カルヴァン・ブエナヴェントゥラ

8月に行われたロカルノ国際映画祭で、フィルムメーカーズ・オブ・ザ・プレゼントコンペティション部門で審査員特別賞に輝き、注目を集めている本作。
オスカル・ルイス・ナビア監督は長編デビュー作『El vuelco del Cangrejo』でもベルリン国際映画祭のFIPRESCI賞に輝くなど、コロンビア映画界を担う若手監督。

日本公開予想……★
必見度……★★★★★



『メルボルン』“Melbourne”
(2014年/イラン/91分)

監督:ニマ・ジャウィディ
出演:ネガル・ジャヴァへリアン、ペイマン・モアディ

毎年秀作を送り出すイラン映画から、今年はこの映画がコンペにエントリー。
ベネチア国際映画祭の国際批評家週間のオープニング作品に選ばれた本作は、メルボルンへ出国する直前の夫婦が事件に巻き込まれるという内容らしいが……。あれ、なんだか『別離』に似てる。
てか、『別離』の旦那さん役を演じていたペイマン・モアディですね。彼の次回作は紀里谷和明の撮るアメリカ映画らしいですけど。

日本公開予想……★★
必見度……★★



『マイティ・エンジェル』“The Mighty Angel”
(2014/ポーランド/110分)

監督:ヴォイテク・スマルゾフスキ
出演:ロヴェルト・ヴィエツキーヴィッチ、ユリア・キジョフスカ

第22回のコンペティション部門で上映された『ダークハウス/暗い家』のヴォイテク・スマルゾフスキ監督の新作。
ポーランド国内の映画祭では『Wasele』、『ダークハウス/暗い家』、『Rosa』と三本続けて何かしらの賞を受賞しているという十割バッター。
本作では『ソハの地下水道』のロヴェルト・ヴィエツキーヴィッチがアルコール依存症の作家を演じている。

日本公開予想……★★
必見度……★★



『ナバット』“Nabat”
(2014年/アゼルバイジャン/106分)


監督:エルチン・ムサオグル
出演:ファテメー・モタメッド・アーヤ、ヴィダディ・アリイェフ

こちらは極めて珍しいアゼルバイジャン映画。アゼルバイジャンの映画と聞いて、思い浮かぶものがまったくないのですが、それでもソ連からの独立から23年で、少なくともimdBには170本近くのアゼルバイジャン映画が記録されておりますから、年間10本近くは作られているのでしょう。
今年のヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門で上映されていた本作。おそらく日本公開はしないのでは……

日本公開予想……★
必見度……★★★★★



『紙の月』“Pale Moon”
(2014年/日本/126分)


監督:吉田大八
出演:宮沢りえ、池松壮介、大島優子

今年のコンペティション日本代表は本作。
『桐島、部活やめるってよ』で賞レースを総なめにした吉田監督の元に、『オリオン座からの招待状』以来の映画主演となる宮沢りえ。
まあ、すぐ公開するんですけどね……。
ところで、「紙の月」なのに「ペーパームーン」じゃないの?←散々出てきてるネタ



『破裂するドリアンの河の記憶』“River of Exploding Durians”
(2014年/マレーシア/126分)

監督:エドモンド・ヨウ
出演:チュウ・チーイン、ジョーイ・レオン

もうタイトルのインパクトだけだったらこれがグランプリでいいんじゃないでしょうか←
作品の雰囲気的にも、個人的にはこの15本の中で一番好きそう。
第24回東京国際映画祭や、去年のシネ・マレーシアと銘打ったマレーシア映画特集の中で短編が特集上映されたエドモンド・ヨウ。今まで最長で60分の映画しか撮ってこなかった彼が、初めて挑んだ長編映画で、なんと9月に入って完成したばかりの映画だそうです(エドモンド監督のブログ参照)。

日本公開予想……★
必見度……★★★★



『遥かなる家』“River Road”
(2014年/中国/102分)

監督:リー・ルイジン

まったくデータが無かったので、色々割愛させていただいておりますが、監督のリー・ルイジンはこれが5作目となる(一本はオムニバス映画だけど)。まだ31歳の若手監督ではあるが、中国社会を真正面から捕えた人間ドラマに長けている監督のようだ。
ドーヴィル国際映画祭や、香港国際映画祭に出品歴はあるが、未だ受賞経歴はなく、今後どう伸びていくのか注目したいところである。

日本公開予想……★★
必見度……★★



『壊れた心』“Ruined Heart”
(2014年/マレーシア・ドイツ/73分)

監督:ケヴィン・デ・ラ・クルス
出演:浅野忠信

こちらも写真等のデータが無かったので割愛させていただきます。
ケヴィン・デ・ラ・クルスは41歳でありながら、この10年で40本近い作品を生み出す多作家。
2012年にベルリンの短編部門に出品された作品が同じタイトルなので、もしかするとこれはセルフリメイク作品なのかもしれません。
カメラマンにはクリストファー・ドイル。浅野忠信はすっかり国際派俳優に成長しましたね。

日本公開予想……★★★
必見度……★★★★



『草原の実験』“Test”
(2014年/ロシア/95分)


監督:アレクサンドル・コット
出演:エレナ・アン、ダニエル・ラッソマクヒーン、カリム・パカチャコフ

日本では『現代の英雄』『PQ-17』といったTVシリーズがソフト化しているアレクサンドル・コット。2000年には『Pugalo』でベルリン国際映画祭の短編部門でドイツ児童基金特別賞を受賞している実績の持ち主である。
予告編を観るかぎり、すごく良い映像の作り方をしているので、これは観ておきたい作品である。

日本公開予想……★
必見度……★★★★★






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