第87回アカデミー賞に向けて、とりあえず押さえておきたい10本の映画。

前回、主要部門の簡易予想を発表してからもうすぐ二ヶ月。
そろそろオスカー予想が動き出してくる頃だと思います。

今回は「とりあえず押さえておきたい10本」と題して、
作品賞に絡むことも視野に入れた上で、気になる10本をピックアップ。
一本も絡まないことはまず無いと思いますが、何本か主観が強いためまったく無視されそうな作品もあります。






『Eleanor Rigby』(ワインスタイン)
監督:ネッド・ベンソン
出演:ジェシカ・チャスティン、ジェームズ・マカヴォイ

今現在本命視しているのは昨年のトロント国際映画祭でも評判の高かったラブストーリー。「him」と「her」の二視点から描き、190分の長尺とのことではあるが、カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門出品データでは何故か119分。どうなっているのやら。



『Foxcatcher』(ソニーピクチャーズクラシック)
監督:ベネット・ミラー
出演:チャニング・テイタム、マーク・ラファロ、スティーブ・カレル


『カポーティ』『マネーボール』と高打率のベネット・ミラー新作は、昨年のレースに間に合わないと見るや、一年の公開延期を発表。完全に狙ってきているこの作戦が吉と出るか凶と出るか……。
少なくとも、スティーブ・カレルの有力視は変わらないであろう。


『Whiplash』(ソニーピクチャーズクラシック)
監督:デミアン・チャゼル
出演:マイルズ・テラー、J.C.シモンズ


毎年オスカーを騒がせる、サンダンス映画祭のグランプリは今年はこの映画。
何だか地味?いやいや、カンヌでも上映されますよ。気がかりなのは作品パワーが弱いことよりも、配給のソニーピクチャーズクラシックが、『Foxcatcher』とウディ・アレンの『Magic in the Moon Light』を擁していること。


『グランド・ブダペスト・ホテル』(フォックスサーチライト)
監督:ウェス・アンダーソン
出演:レイフ・ファインズ、F.マーリー・エイブラハム、ウィレム・デフォー


毎度毎度評判の高いウェス・アンダーソン作品。とはいえ、二度の脚本賞候補と、アニメーション映画賞候補のみで、いまだ作品賞候補には挙がらず。今度こそ、と送り出した本作は、大絶賛の嵐で興行的にも大成功。これは昨年の作品賞受賞作を輩出したサーチライトの目玉商品となるであろう。



『インターステラー』(コロンビア)
監督:クリストファー・ノーラン
出演:マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ


こちらも高打率のクリストファー・ノーランの最新作。世界中から期待が集まりますが、例によってどんな内容なのかは蓋を開けるまでのお楽しみ。わかってます。もちろん監督賞には挙がらないのでしょう。でもきっと、10枠になった作品賞では入ってくること間違いなし。でもちょっと怖い。


『Boyfood』(IFC)
監督:リチャード・リンクレイター
出演:イーサン・ホーク、パトリシア・アークエット

ベルリン国際映画祭で大絶賛を浴びた、リンクレイターの最新作。昨年は『ビフォア・ミッドナイト』でファンを唸らせた彼が、またイーサン・ホークとのコンビで待望のオスカー作品賞候補へ滑り込む。160分の長尺がどう出るか。



『Trash』(ユニヴァーサル)
監督:スティーブン・ダルドリー
出演:ルーニー・マーラ、マーティン・シーン

デビュー作から監督賞→作品賞と監督賞→作品賞と監督賞→作品賞と、100発100中のオスカーに愛されるダルドリーの新作となれば、無視はできまい。いやちょっと今度は無視したいよ、だってワインスタイン先生絡んでないのでしょ?いやいや、ダルドリー先生のパワーは隅に置けない。


『Big Eyes』(ワインスタイン)
監督:ティム・バートン
出演:エイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツ

影の大本命と言っていいかもしれないこの映画。キャストがオスカーに愛される二人。そして、オスカーとはなかなかわかりあえないバートン監督。こないだまでのダサい作品の連発で、冷遇されないかということが気がかりではありますが、『ビッグ・フィッシュ』以来の本気ムード漂うこの映画には期待が高まる。


『Inherent Vice』(ワーナー)
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:ホアキン・フェニックス、ジェナ・マーロン、ジョシュ・ブローリン

『ザ・マスター』が作品賞に挙がらなかったこと、いやむしろ獲れなかったことは、これまでのオスカーの歴史で最も恥ずべき失敗だと言わしめる、現代ハリウッドの最高の作家PTA。もしかして、そんなにオスカーには愛されていないのではないだろうか。。。この映画もホアキンの演技賞止まりになる可能性も捨てられない。


『the Search』(配給未定)
監督:ミシェル・アザナヴィシウス
出演:アネット・ベニング、ベレニス・ベジョ

『アーティスト』で非英語圏映画として初のオスカーに輝いたアザナヴィシウスの最新作。オスカー作品賞受賞監督は、大体次の映画か、(次の映画がとんでもなく変な映画なら)その次の作品で再度作品賞に挙がることが多い。『アーティスト』の次の『プレイヤー』が変な映画だったので、ここは外せないだろう。



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