【第86回オスカー受賞予想】第4回:視覚効果賞&録音賞&音響効果賞

第4回は視覚効果賞、録音賞、音響効果賞です。


●視覚効果賞

◎『ゼロ・グラビティ』
『ホビット 竜に奪われた王国』
『スタートレック イントゥ・ダークネス』
『アイアンマン3』
『ローン・レンジャー』


視覚効果賞という名前を聞くと、やはりCGや特撮のイメージが強いですけど、この部門は実は第1回の技術効果賞(受賞は作品賞受賞作『つばさ』)から始まり、第12回からは音響効果賞と合わせた特殊効果賞として、そして第36回からは視覚効果に一元化された賞なのです。とっても歴史が古いのです。

過去の受賞作を振り返ると、『スターウォーズ』から『エイリアン』、『マトリックス』や『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズと、錚々たる超大作が受賞しているのがわかります。そういう賞ですから、もちろん今年は『ゼロ・グラビティ』で堅いかと思います。

ちなみに、続編もので受賞した作品は『007』と『ターミネーター2』を除くと必ずシリーズ前作がすべてノミネートされているので、今年の続編組3本はセーフですが、『スタートレック』シリーズは一度も勝っていません。
そしてアメコミものは『スパイダーマン2』しか受賞が無く『アベンジャーズ』や『ダークナイト』ですら敗戦しているのも事実。

そして重要な前哨戦である視覚効果監督組合賞では、
『ゼロ・グラビティ』が『ホビット』『アイアンマン3』『スタートレック』を抑えて最重要部門である視覚効果賞を受賞。『ローン・レンジャー』はサポート視覚効果賞を受賞しているが、部門の格でいえば勝負がついている。




●録音賞

◎『ゼロ・グラビティ』
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』
『キャプテン・フィリップス』
『ローン・サバイバー』
『ホビット 竜に奪われた王国』


こちらも技術系の部門なので、ほかの部門ではかすりもしない映画が入ってくることもしばしば。
特徴としてはスペクタクル系の大作に加え、音楽系が入ってき易い部門ですね。

この最重要前哨戦である録音監督組合賞が週明け(2/22)に発表になりますので、このブログは若干フライング気味になります。
とはいえ、ほかの協会賞と違って、ここを獲れば安泰!……というわけではございません。時期が遅いせいで、直結率がスゴく低いのです。
要するに、ずば抜けていい作品ならばもちろんどちらも選ばれるけれど、悩む人にとっては、協会賞獲った作品にとりあえず入れておけば良い、という選び方ももちろんありますのでそれがしづらいという。

故に、協会賞とオスカー本番で違った結果だった年を並べると、

2010年『トゥルー・グリット』→『インセプション』
2007年『ノーカントリー』→『ボーン・アルティメイタム』
2005年『ウォーク・ザ・ライン』『キングコング』
2004年『アビエイター』→『Ray レイ』
2003年『マスター&コマンダー』→『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』
2002年『ロード・トゥ・パーディション』→『シカゴ』
2001年『ロード・オブ・ザ・リング』→『ブラックホークダウン』
1994年『フォレストガンプ/一期一会』→『スピード』
1993年『逃亡者』→『ジュラシックパーク』

なんて、何でこの映画がオスカー獲ってるの?って映画が本当に獲っちゃうから怖い。


ただ、面白いことに、録音賞と録音監督協会賞を両方とも制した映画は、『マトリックス』以外がオスカー作品賞候補作。しかも上の票の青字にしたものは作品賞候補になっていない作品です。
20年間で、録音協会賞は17回も作品賞候補作を選んでいるわけです。
一方、アカデミー賞録音賞は14回作品賞候補作を選んでいます。

とりあえず、協会賞はこの際どうでもいいので、作品賞候補作の録音賞受賞確率は70%。

今年は『キャプテン・フィリップス』か『ゼロ・グラビティ』になります。

ここからの選択が非常に厄介なのは、ファンタジー映画も、ドンパチある映画もどちらも録音賞を獲れちゃうから、これはハッキリ言ってわからないところ。

ただ有利なのは『ゼロ・グラビティ』の方か。

『ゼロ・グラビティ』でノミネートされているスキップ・リーブセイは『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』、クリス・ムンロは『キャプテン・フィリップス』でもノミネートされています。
大体おなじみの方々がノミネートされている中で、『ローン・サバイバー』の候補者3名はいずれも初ノミネートという若々しい顔ぶれ。外すなら『ローン・サバイバー』からか。



●音響効果賞

◎『ゼロ・グラビティ』
『キャプテン・フィリップス』
『オール・イズ・ロスト 最後の手紙』
『ローン・サバイバー』
『ホビット 竜に奪われた王国』


録音賞と『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』と『オール・イズ・ロスト』が入れ替わっただけの顔ぶれですが、こちらは所謂音響効果を評する賞。

重要前哨戦のゴールデンリール賞では、効果部門では『ゼロ・グラビティ』が勝利し、台詞部門では『キャプテン・フィリップス』が獲ったので、ある意味この一騎打ちムードではありますが、

実質優勢は『ゼロ・グラビティ』。この効果部門を獲った作品は90年以降で11本が頂点にたっているので、確率論ではそれほど高くないのも事実。
そして、昨年はじつに久しぶり(第67回の短編映画賞以来)なタイ受賞もあったこの部門。波乱も充分考えられます。

ただやはり傾向的にはSF映画が圧倒的に強い部門(視覚効果賞の次ぐらいに)なので、ここは『ゼロ・グラビティ』でいきたいですね。





おっと、3つとも◎が『ゼロ・グラビティ』になってしまいました。適当な予想はしてませんよw

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