●歌曲賞
◎「Let it go」『アナと雪の女王』
「happy」『怪盗グルーのミニオン危機一発』
「Ordinary Love」『マンデラ 自由への長い道』
「The Moon Song」『her 世界でひとつの彼女』
第5回から始まった歴史ある賞は、やはり初期はミュージカル映画に突出した部門でした。
さすがに、全部を調べるのはかなり骨が折れるほど、日本未上陸作が多い部門なので、60年以降から調べてみました。
ちなみに今年は、第65回外国語映画賞でのウルグアイ代表作『Un Lugar en el mundo』以来となるノミネート後失格作品が発生する事態。キャンペーンは難しいですね。でもこれはちょっと目だちすぎたようにも思えますが。
アニメーション……『アナと雪の女王』『怪盗グルー』
作品賞候補作……『her』
この部門だけノミネート……『マンデラ』
という感じに分類できます。
・60年(第33回)から89年(第62回)までの間の受賞作は、
アニメーション……1本
作品賞候補作……6本
この部門だけノミネート……7本
それに対して、90年(第63回)以降の受賞作は、
アニメーション……9本
作品賞候補作……3本
この部門のみノミネート……2本
と、完全にアニメーションが上回るわけです。
しかも作品賞候補作はアニメを除くので、『タイタニック』『ロード・オブ・ザ・リング王の帰還』『スラムドッグ$ミリオネア』の作品賞受賞作に限られるわけです。『her』は獲れませんよね。
さらに、この部門のみにノミネートされたのは『8Mile』と『ONCEダブリンの街角で』の2本。どちらも主演俳優が歌っている歌が候補入りするので、今年の『マンデラ』はU2のボノの曲といえども、主人公はイドリス・エルバ。歌いません。
なので今年は『アナと雪の女王』vs『怪盗グルー』の一騎打ちになります。
ディズニーvsドリームワークスですが、この過去23回の9本のアニメーション作品の内、じつに8本はディズニーの映画ということを考えると、圧倒的に優勢なのは『アナと雪の女王』になるでしょう。
●作曲賞
◎スティーブン・プライス『ゼロ・グラビティ』
アレクサンドル・デプラ『あなたを抱きしめる日まで』
ジョン・ウィリアムズ『やさしい本泥棒』
トーマス・ニューマン『ウォルト・ディズニーの約束』
ウィル・バトラー、オーウェン・パレット『her 世界でひとつの彼女』
編曲賞ができたり、コメディと分けられたりと慌ただしいこの部門は、一概に賞の歴史でデータを出しづらいものがあります。
だったら、人と作品で考えるのが無難な気がします。
今年候補に挙がった方々はじつに特徴的。
まず、オリジナル作曲賞として44回目の候補になるジョン・ウィリアムズ。過去に5度受賞しています。
そして、12回目の候補になるトーマス・ニューマンと、6回目の候補になるアレクサンドル・デプラは未だに戴冠なし。
残りのスティーブン・プライスと、ウィル・バトラー、オーウェン・パレットは初ノミネートというわけです。
ちなみに名称が「作曲賞」に一元化された99年の第72回以降、作品賞候補作以外が受賞したのは第72回の『レッド・バイオリン』と第75回の『フリーダ』のみ。
となると、ウィリアムズとニューマンは外れることになります。ウィリアムズは別にいいだろうけど、ニューマンはまたしても落選になるわけですね。どんまいです。
もうそうなると、どれが獲ってもおかしくない状態になりますけれど、近年の情勢を考えると、作品賞受賞作や監督賞受賞作、もしくは直前まで作品賞最有力視されているぐらいの作品が受賞する傾向が強いようです。(アニメーションを除くと)
そうなると『ゼロ・グラビティ』しか残らない。映画音楽がそれだけ作品を左右する重要な要素として認められてきているわけですね。
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